47)デイムラー・ダブル・シックス/Daimler Double-Six
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*JAGUAR  CLASSIC*
■ デイムラー・ダブル・シックス/Daimler Double-Six

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 なにを隠そう、1993年にデイムラー・ダブル・シックスが生産を終えたとき、どうしても経験しておきたくて手に入れた。いままでで一番高価な買い物、であった。イノウエにとって「バブル」といえば、このダブル・シックスだったのかもしれない、と思い返してそんな気がしたりしている。
 しかし、ダブル・シックスは濃密な時間を提供してくれた。走っていると、クルマがひたひたと語りかけてくるのである。まさしく「思考の場」にもなってくれた。レザーの香りに囲まれて、ほとんど往復運動の感じられない、そう、シルクの回転をするV12気筒エンジンを体感できるシアワセをつくづく感じ入っていた。いくつものV12気筒を経験したけれど、ダブル・シックスのエンジンほど滑らかなものはない。それを、1970年代早々につくりあげていたことにも感動する。
 ただ、目に見えて減っていくようなフュエル・メーターの針は、貧乏性のイノウエには耐えきれなかったようで、ついに持ちきれなくなって友人のもとへと嫁がせた。いま以って、街で出逢うと嫉妬してしまうクルマ。「デイ様」は永遠の憧れなのだ。

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