64)マツダ・ルーチェ・ロータリー・クーペ/Mazda Luce Rotary Coupe
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*MAZDA  CLASSIC*
■ マツダ・ルーチェ・ロータリー・クーペ/Mazda Luce Rotary Coupe

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 もう忘れられてしまっているかもしれないが、マツダ・ルーチェというサルーンがあった。とくに初代モデルはイタリア、カロッツェリア・ベルトーネ時代のジウジアーロによって描かれたクリーンで美しいボディを持つ4ドア・サルーンだった。彫りが深いフロントに、ルーフは平らでピラーは細く、ガラス面積が大きなスタイリングは、いかにもイタリアンといったエレガントさが漂っていた。
 マツダ・ルーチェ・ロータリー・クーペは、名前にこそルーチェと付き、スタイリングに共通のイメージは持つものの、生産に関してはまったく別物の中身を持っていた。そもそもは1967年の東京モーター・ショウに、のちにマツダ・ファミリア・ロータリー・クーペとなるRX85とともにRX87の名前で展示されたプロトタイプ。それはマツダのシンボル、ロータリー・エンジン搭載車であったが、そのエンジンは新規のハウジング・サイズを採用した13A型というもので、しかも前輪駆動となっていたのである。ホイールベース2580mm、全長4.5m超のサイズは、4ドアのルーチェと共通するどころか、それよりもひと回り大きい。

 1969年発売されたが、初めて三角窓のないハードトップであったことや価格的に175万円のスーパーDXはいすゞ117クーペに匹敵することなど、上級パーソナル・カーという印象が強く打ち出された。結果的には1972年までわずか1000台足らずを発売したにとどまる、幻のクルマになったのだった。  

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