52)ランチア・ストラトスHF/Lancia Stratos HF

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LANCIA  CLASSIC

ランチア・ストラトスHF/Lancia Stratos HF


 念願だったディーノ246GTを手に入れて間なしの頃、その卓越した走りに夢見心地だった頃である。ランチア・ストラトスHFを取材させてもらう機会があった。写真撮影を終え、「乗ってみてくださいよ。ディーノと較べてどうですか?」と、嬉しいお誘い。

 いや、速いと思っていたディーノよりももうひと回り速くてなにより俊敏。ディーノは大きなフェラーリとちがって体にぴったり「着る」感じで乗れるんだ、といったのはディーノを長く愛用しておられた故保富康午さんだった。それからすると、ストラトスはスポーツ・ウェアに着替えた感じ。とにかく軽さがヒシヒシ感じられ、それに吹け抜群のV6エンジンなのだから、なるほど、プロユースのラリイ・マシーンなのだと実感させられた。


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 当時の「グループ4」のホモロゲーション取得のためにつくられたというストラトスHF「ストラダーレ」。「ストラダーレ」はストリート走行用モデルの意で、市販ストラトスを指すのだが、なにはともあれラリイでの戦闘力が重視され、わずか2180mmというショート・ホイールベース。2人分のキャノピイを残して、前後に大きく開くカウルのなかはエンジンやスペア・タイヤで一杯。わずかにリアに小さなラゲッジ・スペースがあっただけ。その分、大きく張り出したドアの内側にヘルメットが収納できるほどの幅のトレイが設けられていた。

 そんなひとつひとつが話題になって、ランチア・ストラトスHFはそのスタイリングともども注目度最高の1台になっている。生産台数も少なく、まさしくクルマ好きの永遠のアイドルのひとつになっている。