78)モーガン 4/4/Morgan 4/4

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*MORGAN MODERN*

モーガン 4/4/Morgan 4/4


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 イノウエを以ってしても、時としてその熱心さというか傾注振りに脱帽してしまうことがある。モーガン乗りもそのひとつ。モーガンはいまでも伝統的なリアル・スポーツカーをつくりつづける英国ブランドとして貴重な存在でありつづける。

 ウースターシャー州マルヴァーン、ピッカースレイ・ロードにあるモーガンの工場では、昔ながらの手づくりによるクルマ生産が行なわれている。イノウエも幾度かその生産風景を見学に行ったが、まあ、生産性などということばとは別世界の、職人の手による本来的なクルマづくりが行なわれている光景に深い印象を受けたものだ。そうやって手づくりされたものをじっくり愛用していく。スタリングとか性能とかを超えたひとつの「世界」がそこに広がっているような感じがする。

 木骨のフレームにアルミ・パネルで構成していくモーガンのボディは、ひとつひとつ組上げられ、磨かれ、手の込んだ内装とともに仕上げられていく。そのようすは、まるで大きな家具でもつくっているかのよう。


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 さて、そんなモーガンの基本はモーガン4/4だ。四輪の4気筒エンジン搭載車ということからモーガン4/4と名付けられたものだが、それは、それまでのモーガンはVトウィン(2気筒)エンジンを搭載した三輪車をつくってきたからだ。1930年代に登場して以来、多くのクルマ好きにとってのモーガンの基本になっている。

 のちにV8気筒エンジンを搭載したモーガン+8や流線型ボディのエアロ、つい先頃(!)にはスリー・ホイーラーまで復活したなどというニューズを訊くと、時代に対応しつつ伝統の世界が広がっていることを感じる。

 男の美学というようなことばを象徴するかのような独特のハードさを備えた、文字通り「硬骨のスポーツカー」。モーガン4/4を走らせるのは、ひとつの儀式のようで自然と背筋が伸びてしまう。写真は2005年モデル。