89)ルノー8ゴルディーニ/Renault 8 Gordini

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*RENAULT CLASSIC*

ルノー8ゴルディーニ/Renault 8 Gordini


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 もちろんスタイリッシュでいかにも速そうなスポーツカーは魅力いっぱいだが、一方でしれっとしたサルーンのくせに、走らせたらスポーティで小気味よい「箱」はちょっと通好みで、捨て置けない存在だったりする。英国のロータス・コーティナ、伊国のフィアット131アバルト・ラリイ、独国のBMW M3など、各国の各年代を代表する「箱」として記憶に残る。

 そんななか、ルノー8ゴルディーニはフランス代表としていい雰囲気を持っている。なにが、といって新車にはオプションでボディ・ストライプのためのデカールが添えられていた、などという話しを訊いて、それだけで「話のタネ」ができてしまう、趣味性のあるクルマだと感じ入ったものだ。もともとは1962年にデビュウしたホイールベース2270mm、1.0L級の小型サルーン。アルピーヌなどでもその名を轟かせていたチューニングの魔術師、アメディ・ゴルディーニによって88PSにまでパワーアップされた1.3Lエンジンを搭載し、各部を相応に締め上げた高性能版がルノー8ゴルディーニ1300だ。1964年に1.1Lエンジン搭載で登場し、1966年から1.3Lに進化した。


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 四角い弁当箱のようなボディ。でも、よく見ると窓下部分など、フランス車らしいアクセントのプレス・ラインが入っていて、独特の風合いのあるスタイリングに仕上がっている。でも、走らせて得られるインパクトは到底想像できない、それこそファミリイで使えるおとなしい4ドアの形をしている。それが、である。エンジンをスタートさせたとたんからなかなか迫力あるサウンド。ウエーバー・キャブと独立ブランチのエグゾストなど、佳き時代のスポーツカーの音がする。最近のガチガチに硬めた足周りのスポーツ・サルーンとはちがい、走らせてもソフトで不当に疲れない。それでいて、なかなかの手応え。要するに絶対的な性能よりも、気分的性能が素晴らしい。ちょっとクラシカルで味の濃い「箱」。ルノー8ゴルディーニはそんな結論が出せる。