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   ■ なにはともあれ「スナップ・オン」


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 クルマ趣味をはじめて間なしの頃,いくつかの専門ショップや工場を訪ねた時のことである。まっ赤な「ツール・キャビネット」から取り出されるピカピカに輝くレンチなどの工具に目を見張った。鋳っぱなしの薄汚れたスパナなどしか持っていなかったイノウエからすれば、まさしく別世界。訊けば,この工具、ほとんど傷などつかないほど硬い素材で無期限保証も付けられているんだ、と。へえぇ~,プロはちがうんだなあ,と感心するのみだった。

 それからしばらくして,米国に出かけた時である。大学の構内だったと思う。友人に連れられて待つことしばし。そこにやって来たのは「Snap-on」のロゴの入ったヴァン。それが工具の出張販売,なのであった。それにしても,さすが「プロユース」。あの,工場で見せて貰ったセットなど、キャビネットまで含めると優にクルマ1台買えてしまえるほどになる。ひゃああ。

 それでもひとつだけ,清水から飛び降りる覚悟でショートのラチェットを買ったのを憶えている。

       


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 それが「スナップ・オン」との出会いだった。1920年代,折しもT型フォードなどが普及しはじめたころに誕生し,ソケット・レンチは「スナップ・オン」の発明品だと知るのは、のちのこと。精度と仕上げに格別の気を配り,それゆえに高価ではあるけれど多くのプロに愛用されている,というのであった。

 そもそもブランド品には手を引っ込めてしまうことの多いイノウエだが,「スナップ・オン」はその後も,少しだけだけれど数を増やしている。もっとも,もったいなくて,実際に使うことなくガレージの片隅に飾っておくことの方が多いのだが。

 このラチェット,手のひらほどの小ささがマスコットとして絶好。優美な曲面の持ち手部分がお気に入り、である。