94)トヨタ2000GT/Toyota2000GT
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*TOYOTA  CLASSIC*
■ トヨタ2000GT/Toyota2000GT

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 なにはともあれ、量産車離れしたそのスタイリング、そのメカニズム、トヨタ2000GTは日本を代表するだけでなく、時代を代表するヒストリックカーである。世界に冠たる大トヨタにして、まるで時代のアヤのなかで奇跡的に誕生したような、知れば知るほど貴重な存在に思えてくる。
 先に「スカイラインGT-R」という単行本をつくった勢いのまま、第2弾として「トヨタの二台のスポーツカー」を制作した。まだ若き日のわれわれ、大トヨタにとってトヨタ2000GTが、いささか「ママッコ」のような存在であるなど、当時は知りようもなく、ただただ憧れのスターを見るような目で、撮影し取材して執筆した。いくつも知りたいことがあったのに、大トヨタとして公表できない部分も多くあったようだ。それでも当時まだあまり世に出ていなかったトヨタ2000GTのプロトタイプの写真や製造番号の一覧などまで、怖いもの知らずで集めて原稿にしたのだった。
 しかし、先に述べたように見れば見るほど、知れば知るほどトヨタ2000GTは素晴らしいものであった。手づくりで組み立て、まったく採算には合わなかった、といわれる通りよくできていた。オーナーは誇りであると同時に、「こんなヴァーゲンな買い物はないよ。だって欧州車の半値で、よほど品質のいいトヨタ2000GTが買えたんだから」と。いわれてみれば、クラウンの3倍というような価格(235万円もした)も、たとえば当時のローバー2000と同等、ポルシェ911の半分以下だったのだから。
 それにしても、いま見ても美しく不朽の名品の趣きさえ湛えるトヨタ2000GT。車幅の狭さが時代を感じさせるが、思ったよりずっとコンパクトなGTカーは、走らせても実に持て余さない。まさしく至高の「宝物」だ。

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