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    BMW1600GT/BMW1600GT
*BMW  CLASSIC*   

       

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 どうも趣味人にはアマノジャクの性分が備わっているようだ。BMWと訊いて、いくつものモデルが思い浮かぶのだが、逆にこれはなかなか思いつかないだろうなあ、というようなモデルは思い起こすとともにひとつの記録としてぜひ残しておきたいものだ、と願ったりするのだ。

 このクルマ、BMW1600GTという。BMWらしからぬ、ちょっとイタリアンの入ったスタイリング。美しくも薄幸のクーペの姿が浮かんでくる。などと書いても、いまではBMW1600GTというとビッグサイズの二輪車のことと思われていることの方が多かったりして、ナントモハヤなのだが、この美しいクーペはちょっと捨て置けない。実はこのクーペ、BMWならぬグラース社の作品である。グラース社は戦後、スモールカー、ゴッゴモビルで四輪車市場に参入してきたメーカーで、グラーツ1004といった小型車、さらにはグラーツ1300GT、2600GTなどをラインアップしてきた。1960年代中盤のことだ。イタリアン・デザインといったのは間違いではなく、この2モデルはカロッツェリア・フルアのデザインによるものであった。

       


       

         

       

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 グラーツ社は1966年末にBMWに吸収されてしまうのだが、グラース車として生産されていたグラース1300GT、2600GTなどはそのままBMWにアレインジされて、しばらく生産がつづけられた。具体的にBMW1600GTは、BMWの1.6Lエンジン、一部サスペンション周り、それにBMWのグリルとエンブレムなどを組込んで、1968年までつくられつづけた。ただしその台数はわずか300台足らず。歴史のなかに埋もれた感のあるモデルだ。